使えない人材の存在はいくらくらいの損失か?
使えない人材が1人いるだけでどれだけのマイナスが発生するか?
おそらく採用される側が想像するよりもはるかに大きなマイナスになります。
例えば給料20万円の使えない人材を採用してしまった場合で考えてみましょう。
単純に言えるとこの給料20万円がムダになります。
少しくらいは役に立つかもしれませんが「使えない人材」ですのでまず給料分の働きはできません。
特に入社したばかりの場合、役立つことなんてほとんどないでしょう。
もし仮に少しくらい役立ったとしても給与の半分くらい役立てばいい方です。
この場合はまぁいい方にとってあげたとして10万円分くらいとしましょう。
この段階で20万円の給料を払って10万円分しか役に立たないので10万円分の損失ですね。
しかしこんなのは序の口です。
入社した使えない人材、仮にA君としましょう。
A君が入社したらA君に仕事を教える人が必要になります。
ではA君に仕事を教える人を仮にBさんとしましょう。
BさんがA君を連れだって一つ一つ仕事を教えていくとします。
するとA君を採用したばかりに、Bさんの人件費もA君の教育費用になってしまうのです。
BさんはA君に仕事を教えたり、仕事ぶりを監視したり、教えるためにいろいろと準備したり、査定して上司に状況を報告しなければなりません。また、A君がミスをしたらフォローしたり、やり直したりする時間も割かれます。
本来Bさんは自分の仕事をしているだけでよかったのですが、A君が入社したことで自分の仕事を中断してA君の面倒を見る時間に使わなければならないのです。なんたってA君は「使えない人材」です。なかなか仕事を覚えてくれませんしミスもするのです。
もし仮にそれがBさんの3分の1の時間を割いているとしたら?・・・・
もしBさんの給与が30万円だとしたら、A君の為に10万円分は使っていることになります。先ほどのA君の損失分と合計すれば既に20万円の損失です。
現実にはA君が「使えない人材」ならもっと時間をとられるでしょう。
まだまだです。これで終わりではありません。
一般的に企業では社員は自分の給与の3倍は稼がないと採算が合わないと言われています。なぜなら会社を運営する為には家賃、水道光熱費、宣伝広告費、交通費、接待交際費、事務・経理・総務などの間接部門の人件費、その他さまざまなコストがかかります。
Bさんが直接稼ぐ部門の仕事をしているなら、Bさんの給与を30万とするとBさんは月90万円分の仕事をしていると考えられるのです。
そのうち、3分の1の時間をA君に割かれてしまっていますので、30万円分の仕事ができなくなってしまっているのです。つまり人件費がかかるのみならず、収益まで落ちてしまいます。これで先ほどの20万円と合計すると50万円の損失です。
「会社にとっての50万円なんて大した金額じゃないんじゃない?」
なんて思っていませんか?
これ、1ヶ月の損失なんです。
年間に直すと600万円の損失になるんですよ。
つまり使えない社員A君を採用してしまったばかりに600万円以上の損失が発生するわけです。しかもこの金額には賞与や会社負担分の社会保険料などが考慮されていません。
それらを合わせるとA君一人採用したばかりにその損失は800万円とも1000万円とも考えられるかもしれません。
たった一人、使えない社員が増えるだけでこれだけの損害が生ずるのです。
それも毎年です。
こんな人に何年も居座られたら億単位の損害にも繋がりかねないのです。
挙句の果てには会社に不満をぶつけてきたり、待遇の向上も要求されたりすることもあります。そして、それだけの損害を与えておいて最後には「辞めます」の一言で簡単に辞めてしまったりします。
この瞬間、それまでかけてきた全ての労力や費用が水の泡になり、次の人を採用して一からやり直しになるのです。
何千万円、何億円もの損害を与えておいて最後には逃げるようにいなくなるなんて可能性があるのです。
これじゃ会社も同僚もたまったものではありません。
「使える人材」なら逆にそれだけの利益を会社にもたらしてくれます。
企業はそのつもりで人材を採用するのに、全く逆になってしまいます。
そしてこのような人のほとんどは本人に自覚がありません。
自分がそこまで企業側に損害を与えているとも思っていませんし、自分をそこまで「使えない人材」だと思っていないのです。本人にも悪気はないんです。悪気はないんですが知らないうちに損害を与えています。もしかしたらあなたも気づかないうちに
以前勤務していた会社の同僚でものすごく「使えない人材」が次のように言いました。
「どうしてうちの会社ってもっと給料がよくならないんだろう?」
私は答えました。
「給料分の働きをしない人がいるから」
そして心の中では思っていました。
「おまえのようなやつがいるから」
彼は自分が「使えない」とは全く思っていませんでした。
しかし上司も同僚もみんなが彼を「使えない」「早く辞めてほしい」と思っていました。
人材を採用するということは企業にとって大きなリスクなのです。
だからこそ、変な人材を採用するくらいなら、採用せずに次の求人広告を出し続け、良い人材を待つ方が良いのです。
使えない人材を採用するくらいなら、人手不足の方がまだましなのです。
そして企業は人手が足りなくても仕事がまわる仕組みを考え、ますます使えない人材は不要になっていきます。
使える人材ならどんな企業だって欲しいのです。
使えない人材はどんな企業だっていらないのです。
企業側がそのあたりをどのように考えるかは「使えない人材より機械化優先」をご覧ください。
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